東京都 A様 (ペルシャ絨毯:クリーニング、房交換作業)
公開:2017/02/27 更新:2022/03/28
今回お預かりしました絨毯は、ペルシャ絨毯ナイン産「シシラ」となります。
手織り絨毯の証明でもある房が傷んできたとのご相談をいただきましたが、ペルシャ絨毯をはじめウール主体の絨毯は経糸に、コットン素材を使用しています。
一部の地域や製法ではシルクの経糸、ウールの経糸が使用されますが全体シェアの一割程ではないでしょうか。
天然素材の耐久性を順から並べますと1位ウール、2位シルク、3位コットンとなりますので、通常使用していても房の損傷が早期に現れやすいです。
見た目の重厚感を演出するとともに、絨毯本体の解れを防止するとても大切な部分ですので綿密な検品、正しいメンテナンス方法をご提案させて頂きました。
シシラとはナイン特有の織り込みの表現で「シシ」は数字の6、「ラ」は本数を意味します。
経糸一本に使用される組織糸の本数の表現で「ノーラ」は9本、「シシラ」は6本、「チャハルラ」は4本の組織糸を使用しています。
簡単な指標とすると「ノーラ」は通常使用品「シシラ」は工房製作品「チャハルラ」は美術品級と考えられます。
組織糸の本数が少なければ少ないほど必然としてパイル糸の結び付けは緻密となるため製作期間は多くかかり織子の技術も高くなければ織ることができなくなってきます。
いかがでしょうか。
絨毯制作時と同数の経糸を絨毯本体から移植することにより耐久性はもちろん、見た目と価値を損なうことのないメンテナンスが可能です。
房交換は絨毯の耐久性を上げる他、全体の見栄えを一新させる効果もありますので弊社ではお勧めのオプション作業です。
房の根本のデザインは数種類選択が可能ですので、ご希望のお客様はお問い合わせ時にお知らせ下さい。
あなただけの世界に一枚の絨毯を製作してみませんか。
ペルシャンギャラリースタッフからのコメント
今回ご依頼頂きましたメンテナンス内容は以下の通りです。
絨毯種類 ペルシャ絨毯ナイン産ウール 玄関中サイズ(80×120cm)
メンテナンス内容 絨毯クリーニング、房交換作業
メンテナンス費用 合計4万円(税込)
作業日数 約3週間
房交換時には絨毯に合った縒りの糸を使用しますので、価値を損なわずに絨毯の耐久性を高める事が可能です。
またのご利用お待ちしております。