北海道 M様 (中国緞通:クリーニング、染み取り、色付け作業)
公開:2017/02/23 更新:2022/03/28
今回は中国緞通ウール90段緞通の水洗いクリーニングと染み取り・色付け作業のご紹介です。
多くの中国緞通の模様はフランス柄と呼ばれ、20年前に大流行した有名なデザインです。
現在は「花」や「鳳凰」を描く物が大半で、フランス柄の中国ウール緞通は生産がなくなり、今ではとても貴重な絨毯です。
また中国産の絨毯で「緞通」という言葉を聞きますが、これは中国で織られた手織り絨毯を指しています。
結びの細かさを「段」と表現し1結びを「1段」と言います。※1フィート(30,4cm)に結ばれている糸の数が織りの細かさとして数字に表されます。
例:1フィートの範囲に90回から110回ほどの織り込みは「90段」
1フィートの範囲に120回から140回の織り込みは「120段」と表現します。
数字が多い程織りが細かくなりますので手間がかかり市場価格も上昇しますがその分耐久性、デザイン性も増します。
使用歴は25年で今までノーメンテナンスで使用されたそうです。
長年の汚れが積もっていき、食べこぼしによるシミが所々見受けられますので、デザインも鮮明ではありませんでした。
房の部分も汚れ、白いフサも茶色く汚れてブルーの部分には食べこぼしのシミで広範囲に滲んでいます。
しかし、ご安心ください。
中国緞通は「イーストペルシャ」と表現されることもあるように、ペルシャ絨毯の同様の技術にてメンテナンスが行えます。
「25年我が家の居間を彩ってきた絨毯を蘇らせてほしい」とお言葉をいただきましたのでペルシャンギャラリーの最高の技術にてクリーニングを行わさせていただくことを約束し、作業開始となりました。
メンテナンス作業は、まず水洗いクリーニングする事で繊維に付いた汚れを綺麗に取ります。
その後取れない古いシミ部分を職人の手作業で細かく根元から毛先まで染み取りを行い、最後に日焼けを色付けにてデザインやカラーを修復していきます。
房は幸いキリムへの損傷がありませんでしたので、通常のクリーニング作業にて何度も何度も繰り返し洗浄しました。
作業時間は1か月程かかり少し時間をいただきましたが、とても綺麗な緞通に復元できました。
ペルシャンギャラリースタッフからのコメント
北海道M様より頂きましたメンテナンス依頼内容は以下の通りです。
絨毯種類 中国緞通ウール 200×200cm
メンテナンス内容 絨毯クリーニング、染み取り、色付け作業
作業日数 1ヵ月間
メンテナンス費用 合計15万円(税込)
今回、北海道からのご依頼ですが日本全国の絨毯クリーニングの対応をしています。
またのご利用をお待ちしております。