岐阜県 H様 (中国高段数:クリーニング作業)
公開:2018/09/18 更新:2022/05/30
今回の絨毯はペルシャ絨毯に見えますが、実は中国産でペルシャ絨毯の伝統的な柄に似せ織られた中国絨毯高段数と呼ばれる絨毯です。
ペルシャ絨毯と異なるところは化学染料が使用されていますので、日焼けに弱いという事が欠点と言えます。
経糸の縒りの違いがルシャ絨毯と中国絨毯の判断基準となりますが、この縒りの違いは専門家でないと判断が難しいかと思います。
依頼主様のH様より「最低限のメンテナンスを」と伺っておりますので、今回はクリーニング作業のみ行います。
中国絨毯といってもペルシャシルクと織り込み手順が同様ですので、クリーニングの工程はペルシャ絨毯と変わりません。
絨毯の汚れは表面だけでなく経糸、横糸などの組織糸にまで入りますので、大量の水を使い絨毯を洗った後、ローラーと呼ばれる機械に挟んで汚れを除去します。
この時汚れによる茶色や真っ黒な水が放出されますが、長年使用されている絨毯ならではの現象ですのでご安心ください。
クリーニング作業後は直射日光に当たらず風通しが良い平らな場所に敷き、時間が経つにつれ表面と裏面を交互に裏返していきながら乾燥させます。
いかがでしょうか。ベージュ部分のくすみもなくなり、明るく鮮やかになりました。
多少日焼けがありましたので色が薄くなっている場所もありますが、この部分は色付け作業を行うことで以前の色調へ復元が可能です。
メンテナンスの目安はご使用される環境にも左右されますが、最低5年に一度が望ましいとされています。
特に房糸の先が筆のように尖りだし、短くなったきましたら房交換のサインです。
房部分はパイル糸を留めておく大事な部分ですので、パイル糸がほつれだす前にお早めの交換をお勧めいたします。
ペルシャンギャラリースタッフからのコメント
今回ご依頼頂きましたメンテナンス内容は以下の通りです。
絨毯種類 中国緞通シルク 200cm×300cm
メンテナンス内容 クリーニング作業
メンテナンス費用 合計 約5万円(税込)
作業日数 約3週間
またのご利用お待ちしております。