三重県 N様 (ペルシャ絨毯:クリーニング作業)
公開:2018/06/08 更新:2022/05/26
三重県のN様より楕円形ペルシャ絨毯のクリーニングのご依頼頂きました。
楕円形の絨毯は長方形の絨毯と違い、全ての縁に房が付きますので敷いた時に高級感があります。
柄も大小様々な花を規則的に描き、重厚感あふれるワインレッドのフィールドが魅力的な絨毯でした。
色の濃い絨毯は汚れに気づかずクリーニングのタイミングが遅れやすいので、房の白い部分が少し汚れてきたと感じましたらクリーニングを行うと良いでしょう。
房がくすんできた場合にはパイル糸も同じ程度汚れが出ていますのでメンテナンスをご検討下さい。
水洗いを繰り返し行いましたので汚れは綺麗に落ち、元のシルクの風合いに近づきました。
周りについている房も真っ白な仕上がりです。
水分をこぼされたような跡が見られ、固く毛向きが変わってしまっている箇所も綺麗に整い、購入当初の絨毯に復元できました。
ペルシャンギャラリースタッフからのコメント
メンテナンスした絨毯の正式産地は「マラゲ」と呼ばれる産地の絨毯でした。
マラゲ絨毯は今から20年~30年前に生産されたものが多く、赤い糸の部分を薬品で洗いオレンジ色にするのが特徴といえます。
ただしこの染色剤は薬品で弱っているので、経年劣化によりすり減ってしまうことがあります。
ご自宅で確かめる方法としては床に絨毯を置き、表面をバターナイフのような物で毛の流れに逆らってこすってください。
その際に粉の煙や粉末がナイフに着く場合は、マラゲ産の可能性が高いとも言えます。